<ダビド・シルバのプレースタイル>際立つオフザボールの動きとは

       
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Football-Viewpoint

プレミアリーグ愛好家。2000年頃から欧州サッカーを見始め、気づけばグーナーに。いつもサッカーの面白さの部分に着目しながら試合を見てます。サッカーの面白さを少しでも伝えていけたらと思ってます。

2018年1月3日に行われたプレミアリーグ第22節マンチェスター・シティvsワトフォードで、

ダビド・シルバは19節ボーンマス戦以来、3試合ぶりにスターティングメンバーに名を連ねた。

結果は、マンチェスターシティが3-1でワトフォードに勝利している。


個人的な事情で年末の試合を欠場しており、「試合に集中できるのか」という見方もあったが、

この試合におけるシルバのパフォーマンスは圧巻だった。

シルバが起点となり、2得点に絡む活躍を披露した。

シルバのプレースタイルとは?

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足元の技術に優れ、サッカーの基本でもある止める・蹴るの技術は世界でもトップクラス。

視野も非常に広いため、長短のパスを使い分けることができ、その中でもゴールに直結するラストパスは芸術的である。

ドリブルでボールを持ち運ぶこともでき、ドリブルのコース取りと相手の重心を動かして、逆を取る能力が優れている。

ゆえに、オン・ザ・ボール(ボールを持っている時)のプレーに目が行きがちな選手。

しかし、オフ・ザ・ボール(ボールを持っていない時)の動きも非常に優れている。

今回は、ワトフォード戦の1シーンをピックアップして、「オフ・ザ・ボールのシルバの動き」について、解説する。

 シーン①:あえて味方のパスコースを消すポジショニングをする!?

シーン①では、シルバのポジショニングに着目してもらいたい。

シルバは、オタメンディとサネのパスコースの中継地点でポジショニングをする。

オタメンディからすると、同方向にシルバとサネがいることで、サネへのパスは通しづらいイメージを持つ。

シルバはあえて、直線上にポジショニングをすることで、サネへのパスコースを意図的に消している。

シーン②:シルバの動きにはメッセージ性が込められている!?

 

このシーンではオタメンディの状況を見て、シルバが前方へアクションを開始する。

具体的には、オタメンディがルックアップしてパスコースを決定する直前。

このアクションによって、シーン①であえて消していたオタメンディとサネのパスコースから自分が前方のスペースへランニングし、

サネへのパスコースを明確に見せることで、サネへのパスを促すメッセージ性が込められている。

シーン③:シルバが描くイメージとは!?

 

シーン③は、シーン②と同様のシーンとなる。

このシーンでは、シルバが前方へのアクションを開始したタイミングで、

シルバが最終的にどこでボールを引き出すイメージを持っているかを描いた写真となる。

矢印がシルバがイメージしているパスコース。

斜線のスペースが、自分がランニングしてボールを引き出すポジション。

このように自分の動きで、味方へパスコースを誘導し、そのイメージを出し手に共有させることができる。

シーン④:ディフェンスが空けたスペースを的確に使う能力

 

このシーンは、実際にオタメンディからサネへパスを通したシーンである。

オタメンディからサネへのパス移動中に、シルバはスペースへランニング。

ワトフォードのサイドバックは、ボール移動中にサネへのアプローチをするため、サイドバックとセンターバックの間にスペースが生まれる。

そのスペースを利用して、シルバはボールを引き出そうとする。

シーン⑤:最終的にはシルバのイメージ通りにパスが繋がる!?

 

このシーンでは、サネがワンタッチでシルバへパスを出したシーン。

結果的に、サネのパスは相手に引っかかり、最終的にパスは繋がらなかったが、

シルバがイメージしている通りにパス交換されたことがわかる。

このように自分がボールを持っている場面以外でも、シルバは様々な駆け引きを動きの中でつけていることがわかる。

ボールを持っている時のプレーももちろん素晴らしいが、

ボールを持っていない受け手となっている場面でも非常に優れているのがダビド・シルバという選手。

最後に・・・

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ワトフォード戦後にダビド・シルバについてペップは以下のようにコメント。

『ダビド・シルバが戻ってきたことを嬉しく思っている。

このあと、どれくらい一緒にいられるのか分からないが、今日見てもらった通り、彼は僕らにとって不可欠な選手だ。

ダビド・シルバは、チームに留まりたいと思ってくれているが、人生で一番大事なことは家族だ』

とコメント。

このコメントから推測すると、シルバの個人的な問題は解決していない様子。

今後もシルバが欠場する可能性があることを示唆するコメントにも伺える。

具体的な理由は明かされていないものの、これだけ素晴らしい選手なだけに、1日でも早く心身共にサッカーに集中できる日が来ることを個人的には祈っている。

書き手

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【了】

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